卒業式式辞
第13回卒業証書授与式 式辞


厳しい冬を乗り越え、校庭では紅白の梅が咲き、木々の新芽も膨らみ始めております。早春の息吹が感じられるこの佳き日に、本校PTA韓会長様、役員の皆様、並びに保護者の皆様のご列席のもと、大阪府立みどり清朋高等学校「第13回卒業証書授与式」を挙行できますことを心よりうれしく思います。
保護者の皆様におかれましては、今日こうして社会への旅立ちの第一歩として、お子様が凛々しい姿で式に臨んでいる様子を見られ、感慨も一入のことと存じます。
保護者の皆様方の限りない愛情とご苦労が、本日このように頼もしい成長した姿として実を結びましたことに、心から敬意を表しますとともにお祝いを申し上げます。誠におめでとうございます。
あわせて、これまで本校の教育活動にご理解とご支援を賜りましたことに厚くお礼申し上げます。
ただいま卒業証書を授与した13期生の皆さん、卒業おめでとうございます。
皆さんの卒業を心からお祝いいたします。
皆さんが過ごした高校3年間を振り返ると、こうして卒業の日を迎えるまでには、喜んだり残念に思ったり、楽しかったり苦しかったりと、通り一遍の言葉では言い尽くすことのできない、思いやたくさんの出来事があったことだと思います。
それらの日々を乗り越えてきた皆さんの努力に対して、まず深い敬意を表したいと思います。
皆さん、この3年間、よくぞここまで頑張ってくれました。最後までやり抜いてくれました。
日々の授業に加え、「こども保育専門コース」生徒による「保育実習」、部活動や地域との交流活動での活躍など、多くの方々におほめの言葉をいただいたり、中学校や教育庁の方々にも自慢したりしてきたこともたくさんあります。
学校行事では、体育祭や文化発表会、文化祭での数々のパフォーマンスや作品発表などで、皆さんは個性や創造性、チームワークを存分に発揮しました。
特に、今年度3年時の体育祭と文化祭での皆さんの姿には印象深いものがあります。
まずは「体育祭」。
全力を尽くした競技や応援、創意と工夫を凝らした各団のTシャツ、応援合戦、そして「清援」でのパフォーマンスと、どれをとっても立派でした。
最後の団長の熱いメッセージ、それを見守る皆さんのまなざしや姿に、様々なことを乗り越えてきた思いと、心と心のつながりを感じ、大きな感動を覚えました。
そして、「文化祭」。
皆さんから様々な不安と期待の声を聞き、私なりに心配もしながら当日を迎えました。
校舎内外での企画イベントや舞台での劇、文化部や有志による発表など、制約のある中でも知恵を出し合い、励まし合って見事なパフォーマンスを発揮してくれました。
私は、皆さんが活躍する姿、晴れ晴れとした表情や笑顔からたくさんの元気と感動をもらいました。
これから皆さんを取り巻く社会は、情報化、高齢化・人口減少という人口構造の変化など、加速度を増して変化していくと言われています。
そして、複雑で予測困難な時代の中で、私たち一人ひとり、そして社会全体が、答えのない問いにどう立ち向かうのかが問われています。
では、どのように立ち向かえばよいのか。そのヒントは、皆さんの身近なところにあるように思います。解決への糸口はどこにあるのか。困ったときには、本校が掲げる「4つのチカラ」を思い出してください。
「確かな学力」 学びは教室や机の上だけでするものではありません。失敗からも大いに学んでください。そして、何歳になっても「一生勉強」です。学び続けてください。
「コミュニケーション力」 人とつながり、伝え合い・認め合い、互いに高め合ってください。
「課題解決力」 学んだことや経験を生かし、知恵を出し合って、互いに笑顔でいられるような明るい未来を創造してください。
「地域貢献力」 地域とつながり、社会に貢献することで、より大きなやりがいと自信につなげてください。
皆さんはこの3年間、コロナ禍という誰もが経験したことの無い状況の中、思い通りにならない現実にも真っすぐに向き合い、様々な活動を通して、これら「4つのチカラ」を育み、生かしながら、人を思いやり、励まし協力し合って頑張り、最後までやり抜いてきました。
要するに、皆さんが、これまで学んだこと、実践してきたことを、より多くの人々とつなぎ合わせ、地域から広く社会へ、そして世界へと、その輪を確実に広げていくことが重要だと思います。
もう一つ伝えたいことがあります。
それは、行動を起こす前から「どうせ無理」とか「やってもできない、無駄だ」と決めつけて、自分で勝手に限界を決めてしまわないことです。
皆さんの潜在能力は計り知れず、可能性は無限大です。どうか自分の力を信じ、自分で決めた道を信じてください。
皆さんの夢の実現に向け、失敗を恐れず、果敢に挑戦し続けて欲しいと、心から願っています。
いざ、希望と決意を胸に、皆さんそれぞれの未来に向かって力強く歩みだしましょう。
結びに、皆さん一人ひとりに対して、できうる限りの支援を惜しまなかった13期生の担任の先生方、そして、みどり清朋高校全ての教職員を代表し、卒業生の皆さんに限りない惜別の思いを残しつつ、その洋々たる前途を祝して、式辞といたします。
令和5年2月28日
大阪府立みどり清朋高等学校
校長 寳田 康彦
